かつて広島はニホンハッカの国内三大産地のひとつとして知られていましたが、
近年は生産者が途絶えていました。
生産者の中尾さんは、もともとメントールの爽やかさに魅了され、栽培にも関心を持ち、さらに広島の歴史やストーリー性に惹かれて、広島県世羅郡世羅町小国で「ニホンハッカ」の栽培に取り組むことを決意しました。
現在、かつて県内で盛んに生産されていた在来種「あかまる」を中心に、
県内で唯一の本格的な生産者として、ハッカ文化の再興に挑んでいます。
ニホンハッカはメントール含有量がミントの中でも最も多く、
強い清涼感と穏やかな香りが特徴です。
世羅の自然環境そのものを活かした生産に取り組んでおり
寒暖差の大きい世羅の中山間地域は
夜間の低温が作物の代謝を抑え、高品質なニホンハッカを育てることが可能です。
過去に有機栽培で野菜を生産する企業で勤務し実際に栽培を担当した経験から、
自然に近い手法を採用し、有機JAS取得も視野に入れています。
収穫した葉はビニールハウスで自然乾燥に近い方法で乾燥し、仕上げに日光で加温。
粉砕は茶葉としての利用に適した粒度に抑え、アルミ袋で封入して土蔵で保管することで、香りと品質を長く維持しています。
こうしたこだわりの製法により、ハーブティーとしてだけでなく、
ジェラートやお菓子、お酒の原料としても安定した供給が可能です。
実際に、広島アルパーク無印良品のジェラートコーナーでは「世羅のハッカとチョコレート」のフレーバーとして採用されています。
今後はハーブティー以外の加工品でも広く展開し、広島ハッカの魅力を県内外に伝えていく予定です。見かけた際には、ぜひ手に取ってその爽やかな香りと味わいを楽しんでみてください。